導入事例 レイメイ藤井 様

21時までの残業がゼロに。
AIReadが紙の非定型請求書の読みとり精度90%以上を実現!

業種:卸売業(商社)
製品:AIRead on Cloud、AIRead ETL Option

東京・福岡に本社を構え、紙・文具の卸売を中心に、ST(ステイショナリー)/OS(オフィスサプライ)/PS(ペーパースペシャルティ)/BS(ビジネスソリューション)と幅広い事業を展開するレイメイ藤井。オフィス業務の総合的なサポートを手がける同社では、社内でも積極的にITソリューションを活用してDXを推進し、有効な取り組みを外販することで、取引先のDXも支援している。

同社の経理部では仕入業務に膨大な時間を割いており、クラウド型 AI-OCRソリューション「AIRead on Cloud」を導入したところ、大幅な工数削減に成功したという。本稿では、IT統括部の安留 要氏、DX推進部の森 昭二氏、経理部の藤松 恵理子氏に、今回の成功事例についてお話を伺ったのでその模様をお届けしたい。

(左)株式会社レイメイ藤井DX推進部 部長 森 昭二氏
(中)株式会社レイメイ藤井 経理部 仕入業務課 藤松 恵理子氏
(右)株式会社レイメイ藤井 IT統括部 部長 安留 要氏

膨大な量の紙の請求書と納品書を目視でつき合わせ。業務プロセスにメスが入る──

さまざまな事業を手がけるレイメイ藤井だが、なかでも紙・文具の卸売は創業時から続く主力事業で、強い仕入れソースを持っている。同社の経理部仕入業務課では、毎月数千枚の紙の請求書を処理している。受け取った請求書はシステムに手入力するか、商品と一緒に送られてくる納品書と目視でつき合わせる必要があった。こうした一連の作業が大きな負荷となっていたという。月2回の締日付近は長時間の残業が発生し、とくに繁忙期には取引先1社に対し5,000件ものつき合わせ作業を行うケースもあり、業務効率化による作業時間の削減は喫緊の課題となっていた。福岡本社の経理部 仕入業務課の藤松氏は、現場の課題を以下のように振り返る。

経理部 仕入業務課 藤松 恵理子氏

「請求書と納品書のつき合わせ作業は部署の業務としては全体の2割程度ですが、短期間で作業する必要があり、とくに月初はほかの業務に対応できない状況に陥っていました。また、正確性を担保するためにかなり神経を使った作業でした」(藤松氏)

同社では、以前より業務効率化を目的とした社内DXを積極的に推進しており、仕入業務の課題にあたっても、社内システム全般の構築・運用を統括するIT統括部を中心に解決策を模索していた。IT統括部の安留氏は、本プロジェクトの経緯について次のように振り返る。

「仕入業務課の作業負荷については認識しており、以前より業務効率化のアプローチを模索してきました。そのなかで、急速に進化していたAI-OCR技術に着目し、納品書と請求書の入力自動化を図ろうと2020年の2月から検討を開始しました。まずはどのようなソフトウェアがあるのかを調べ、3社の製品をピックアップしました。各社で同一の請求書と納品書で読み取り精度を検証してもらい、そのなかでもっとも精度の高かったアライズイノベーションのAIReadの採用を決めました」(安留氏)

細かな調整や追加学習をくり返すことで、現場の要求に応える読み取り精度を実現

こうした流れを経て、2020年9月にAIReadの採用が決定し、翌月から本格的にプロジェクトがスタートした。アライズイノベーションによりシステムの開発が進められ、2021年2月に本稼働を迎える。開発にあたっては、IT統括部・ 仕入業務課と打ち合わせを頻繁に行うことで、現場のニーズを反映させたシステムが構築できたという。

システムを稼働させていくなかでは、読み取り精度における課題が顕在化した。紙の請求書が非定型で品質も一定ではないため、前回正しく読めた請求書が今回は読めないといった問題が生じたという。アライズイノベーションでは、こうした課題を解決するため細かな調整や追加学習を実行し、読み取り精度の向上を図った。仕入先ごとの読み取りパターンも開発し、現在は仕入先13社に適用できている状況だという。

「キックオフから比較的短期間でシステムを実装できたと思います。稼働後の読み取り精度の課題については、仕入先が利用しているプリンタによって請求書の品質もまちまちで、調整をアライズイノベーションさんにお願いしました。大変な作業だったと思いますが、迅速に対応いただき助かりました」と安留氏はアライズイノベーションのサポートを高く評価する。

IT統括部 部長 安留 要氏

仕入業務の効率化はもちろん、各拠点を含めた部署全体のキャパシティが増大

レイメイ藤井はこうしてAI-OCR(AIRead on Cloud)とデータの抽出・変換・格納を行うETL(AIRead ETL Option)で構成されたシステムの導入し、入力作業の自動化を実現した。さらに仕入計上データ(納品書のデータ)と請求書のデータマッチングを行う照合システムを自社開発し、仕入業務の大幅な効率化に成功した。実際に仕入業務に携わっている藤松氏は、導入により得られた効果について次のように語る。

「運用当初は読み取り精度の課題がありましたが、現在ではマッチングさせる数値は90%を超える読み取り精度を実現しています。納品書が全部揃っているか、入力した金額が請求額とあっているかのチェックが簡単に行えるようになりました。以前は月初や繁忙期に21時ぐらいまで残業していたのですが、今ではほぼなくなりました。さらにこれまで各支店で行っていた仕入業務の作業を福岡本社に集約できるようになり、部署全体としての業務効率化が図れていると感じています」(藤松氏)

AIReadでデータ化した数値を照合システムでマッチングしていく

安留氏も、経理部全体のキャパシティが増大したことが大きな成果と捉えており、今回の取り組みをふまえて、より幅広い業務の自動化・効率化を図っていきたいと今後の展望を語る。

「OS(オフィスサプライ)事業部を中心に展開しているビジネスにおいて、受注受付の6割はデジタル化されていますが、残りの4割はFAX(一部は電話)が利用されており、この割合は実はここ10年ほど変わっていません。このため、次のステップとしては、FAXでいただいた受注をAI-OCRで文字起こしして、基幹システムにデータとして取り込んでいくことを検討しています。手書きのFAXも多く難しいミッションと捉えており、アライズイノベーションさんには、さらなる支援を期待しています」(安留氏)

レイメイ藤井のさらなる取り組み──、自社DXで得たナレッジを広めていく

DX推進部 部長 森 昭二氏

さらにレイメイ藤井では、今回のプロジェクトの成果を受けて、アライズイノベーションとパートナー契約を結び、AIReadを社外に展開する計画を立てているという。森氏が部長を務めるDX推進部は2022年1月に新設された部署で、自社のDX推進はもちろん、社内に導入したITソリューションのなかで大きな効果が出たものを他社に展開していく役割を担っている。森氏は、AIReadを活用したシステムの他社展開にかける想いを語り、インタビューを締めくくった。

「自社DXを積極的に進め、実際に導入して本当に良かったものをお客様にも使ってもらい、互いに高めあっていく──、それが我々のスタンスです。今回の取り組みは、社内で初めてとなるAIを活用したプロジェクトで、大きな成果をあげています。当社と同じように紙の請求書の処理に課題を抱えているお客様にも使ってもらいたいと思い、社外への展開を決めました。当社の経理部で効率化を実現した成功事例を紹介することで、多くのお客様に導入していただければと考えています」(森氏)

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さまざまな業務がデジタル化される一方で、契約書類や請求書などペーパーレス化がなかなか進まない書類も少なくない。「紙だから」と言って業務効率化あきらめるのではなく、レイメイ藤井のように、AI-OCRを用いて紙を効率的にデータ化させる手段をとることで、データ入力作業を大幅に削減できる。読み取り精度の高さと柔軟な対応を備えたアライズイノベーションのAIReadは企業の働き方改革を強力に後押しするだろう。

導入ソリューション

AIRead on Cloudロゴ
AIRead ETL Option サムネイル

お客様情報

会社名株式会社レイメイ藤井
福岡本社福岡市博多区古門戸町5-15
Webサイトhttps://www.raymay.co.jp/