時間短縮と品質向上を同時に実現!
AI-OCRを活用した受発注業務のデジタルシフト
業種:FA機器販売
製品:AIRead

鈴与商事株式会社は、220年以上の歴史を誇る鈴与グループの総合商社として、1990年に販売部門を受け継ぎ分社して以来、数多くの顧客のニーズに応え続けてきた。
同社は80年以上の歴史を持つファクトリー・オートメーション(以下FA)機器販売を手がけており、三菱電機製品の代理店として業界内で確固たる地位を築いてきた。近年、このFA部門ではデジタル化やスマートファクトリー化に向けた取り組みを積極的に展開している。社内にエンジニアリング部門を設け、顧客の要望に応じて制御設計から設置、設定まで一貫して対応することで、機器販売にとどまらない総合的なソリューション提供を実現している。

(左)鈴与商事株式会社 FA営業部豊橋営業1課 杉山 友加帆 氏
本稿では、このFA機器販売部門が取り組んだ、AI-OCR「AIRead」を活用した受発注業務の効率化事例について、FA営業部豊橋営業1課の課長、小林 健太 氏と同課の杉山 友加帆 氏、OCRの定義設定を担当したDX営業部の宇佐美氏に話を伺った。
半導体不足がもたらした業務増加に立ち向かう
同社には、多くの顧客からメール、FAX、電話と様々な方法で注文が届く。特に大口顧客からは一度に20枚以上の注文書が届くこともあり、それらをすべて手作業で入力する必要があった。RPAを導入してデータ入力後の業務は効率化されていたものの、肝心のデータ入力は依然として手作業のままだった。
杉山氏は、当時の状況をこう振り返る。「担当者3~4名で対応していましたが、大口の注文だと、1枚の注文書に10行以上の項目があるため、他の業務もこなしながらだと処理に2~3時間かかることもありました」
そこに、2020年以降のコロナ禍による半導体不足が、制御機器の納期に大きな影響を与えた。通常数日で納品できていた製品のほとんどが、1年を超える納期となる異例の状況が続いた。その結果、オーダーや問い合わせ、納期調整などの業務量が急増し、効率化が喫緊の課題となったのである。
無くならない受発注の紙業務
同社は、まず顧客からの注文情報をデータで受け取ることによるペーパーレス化を試みたが、思うようには進まなかった。顧客の注文システムがFAXと自動連携されているなど、データでの注文に対応できない顧客が複数存在し、特に大口顧客がデータ発行に対応できなかったのだ。ペーパーレス化が叫ばれる昨今も、やはり紙業務の完全な排除は難しい。これは多くの企業が直面する課題であり、同社も例外では無かった。
受発注業務担当として業務効率化の必要性を痛感していた杉山氏は、同社の情報システム部門にOCR導入を相談。その結果、候補の中から選ばれたのが「AIRead」だった。
宇佐美氏は「他社のOCR製品も検討しましたが、読み取り項目数での課金体系だったため、項目の多い注文書では1枚あたりの単価が高くなってしまい、コスト面で採用を見送りました。一方、AIReadは読み取り枚数ごとの料金体系で、枚数無制限プランもあります。そのため、項目の多い注文書を大量に扱う我々にとって、コスト面で非常に魅力的でした。」と選定理由について語った。
さらに、AIReadはオンプレミスでの利用が可能な点も大きな決め手となった。「オンプレミスで一度導入してコツをつかめば、社内の他部署にも展開できます。そうすれば、さらに導入に対する費用対効果が上がると考えました」(宇佐美氏)
OCR+自動バッチで実現する効率化と品質向上
AIReadの導入にあたり、同社は既存のRPAとの連携を最適化するため、独自の自動実行バッチを開発した。このバッチにより、指定フォルダにPDFを格納するだけで、OCR処理から読み取り後のCSV結合などの整形までを一括で行えるようになった。AIReadと自動バッチの組み合わせにより、従来2〜3時間かけて手入力していた作業が、出力された整形済みCSVをRPAに連携するだけで完了するようになり、業務効率は劇的に向上した

これにより、これまで提供票1枚あたり1分程度かかっていた作業時間の75%を削減し、年間900時間程度 の削減効果となった。
さらなる業務展開を目指して
小林氏は、AIReadの導入を振り返りこう述べる。「過去にOCRを提案する立場にいましたが、当時は読み取り精度の低さから結局手作業での修正が多く手間が変わらないなど、導入を見送る企業が多かったです。今回自分が導入する立場になり、読み取れないところも多いのではと思っていましたが、高精度な読み取り結果に驚きました。この10年でOCR技術が大きく進歩したことを実感しました。」
この成功を受け、同部署では発注書だけでなく見積依頼書へのOCR活用も検討している。さらに、同社内やグループ企業のFAX注文を扱う部署にも同様の課題があると考え、社内のDX部門と連携してAIReadの利用を広げ、横展開を計画している。

AIReadが切り拓くデジタル化の未来
同社のAIRead導入事例は、デジタル化の重要性とその実現可能性を如実に示している。業務効率の向上とミスの削減を同時に実現した同社の取り組みは、多くの企業にとって貴重な参考事例となるだろう。
小林氏は最後にこう締めくくった。「デジタルソリューションにおいて、『見える化』の第一歩は、アナログデータのデジタル化です。OCRは、依然としてアナログ形式で残っている業務プロセスをデジタル化する上で、非常に重要なキーパーツになると思っています。過去にDX検討するもうまく行かなかった企業も、自動化に必要な最初のデジタル化の一歩を、大きく進められる可能性があるのではないかと感じています」
同社の取り組みは、デジタル化の波に乗り遅れないための重要な一歩であり、今後もさらなる進化を遂げることで、業界全体に新たな価値を提供し続けるであろう。
導入ソリューション

お客様情報
会社名 | 鈴与商事株式会社 |
本社 | 静岡県静岡市清水区入船町11番1号 |
Webサイト | https://www.suzuyoshoji.co.jp/ |