コラム

「読める」のその先へ。AI-OCR×マスタ突合で実現する「そのまま使えるデータ」への進化

前回のコラムでは、AI-OCRの認識精度が100%になっても、取引先名の表記揺れや商品コードのギャップによって「結局、人間がシステムに合わせてデータを“翻訳”する手作業」が残ってしまうという現実をお伝えしました。

文字が正しく読めるだけでは、業務は自動化されません。現場が本当に求めているのは、「自社の業務システムにそのまま流し込めるデータ」です。

今回は、この「読めるけれど使えない」という壁を突破し、入力・手修正作業を大幅に減らす「マスタ突合」の仕組みと、私たちが目指すこれからのデータ活用についてお話しします。

「読み取る」から「業務で使えるデータへ変換する」へ

前回のコラムの通り、単に紙に書かれている文字をデジタルテキストへ変換するだけでは、現場の「本当の入力作業」は終わりません。
例えば、注文書に「サイダー500ml」と書かれていようが「ペットボトルサイダー 500」と書かれていようが、自社のシステムが受け入れられるのは登録されている「ボトルサイダー500ml:S500-01」だけだからです。

もし、AI-OCRがただ紙に書かれた文字を読み取るだけでなく、「この書類に書いてある商品名は、”サイダー”と”500”が一致しているので、自社マスタでいうボトルサイダー500ml:S500-01のことだな!」と判断してくれたらどうでしょうか?

これまで現場の担当者が行っていた、以下のような「検索・判断・入力」の手作業は一気に削減されます。

  • 書類の表記を見て、自社のどの商品かを推測する
  • 基幹システムを開き、商品マスタから該当するコードや正式名称を検索する
  • 検索結果のコードを、1行ずつ手入力で打ち替える

このように、紙に書かれたバラバラな表現から現場の意図を正確に汲み取り、自社のシステムがそのまま処理できる正規のデータへと自動で“突合・変換”する仕組み。これこそが、これまでどうしても残ってしまっていた手作業を解消し、業務の自動化をさらに一歩進める鍵となります。

汲み取りを実現する「マスタ指定読取り」

「そんな都合の良い変換、本当にできるの?」と思われるかもしれません。
実は、まさにこの「読めるけれど使えない」課題を解決するために開発されたのが、「マスタ指定読取り」です。

アライズイノベーションのAI₋OCR「AIRead」が提供しているマスタ指定読取り機能は、AI-OCRで読み取った情報を自社のマスタと突合してキーワードが一致するものに変換することが可能です。

▲ 帳票の読み取り結果から、キーワードの類似度が高い自社マスタを自動検出し変換するイメージ
  1. キーワードの照合
    帳票から読み取った情報(例:「サイダー500ml」)をもとに、あらかじめ登録されている自社のマスターデータ群を参照します。
  2. 類似度判定・自動マッチング
    「サイダー」「500」といったキーワードの一致度が高いマスタ(例:「ボトルサイダー500ml」)をAIが自動で探し出し変換し、後続の業務システムへスムーズに連携できる形に変換します。

表記揺れや略称があっても、このマスタ突合を挟むことで、人間が介在していた「検索・判定・書き換え」のプロセスを自動化できるようになります。

アライズが目指す、これからの業務改革

OCRは単なる「文字入力の代行ツール」で終わるべきではありません。私たちは、「お客様の業務プロセスそのものを進化させるデータ活用基盤」として機能することを目指しています。

単体では「使えないデータ」になりがちな文字読み取り機能も、自社マスタや社内ルールと組み合わさることで、初めて現場の負担を大きく軽減する仕組みへと変わります。

今回ご紹介した「マスタ突合機能」も、お客様から寄せられた「文字は読めるようになったけれど、その後のコード変換が大変で……」という声から生まれ、すでに「AIRead」の製品機能としてリリースされています。
私たちはこれからも、「精度向上」に留まらず、現場の業務が実際にどう変わるかという「実務の成果」にこだわるサービス提供を行ってまいります。

まずは、貴社の帳票で「マスタ指定読取り」の効果を試してみませんか?

「自社の複雑な商品マスタでもマッチングできるか試してみたい」「請求書処理の手作業がどれくらい減るか試算したい」

アライズでは、実際の帳票やマスタデータを使った無料トライアルも可能です。
「読めるけれど使えない」データの壁にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。